山上徹也容疑者が起訴へ

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安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也被告の叔父、山上東一郎元弁護士を取材した。面会は2回目である。彼との出会いは、彼が現役弁護士であった20数年前に遡る。彼の同僚弁護士が国政選挙に出馬する際の取材の中で知り合った、いわゆる、依頼人と弁護士の関係ではない。いろいろな事件の意見を求めたり、情報を共有するという、類まれな仲良しの関係だ。

事件が発生した時点を中心に、発生前と発生後、現在に及ぶ状況や家族の生活や心情の推移を聞くことができた。取材の場所は彼の自宅。大阪府堺市にある閑静な住宅地の一角、手の行き届いた美しい庭を眺めながら話は2時間以上に及んだ。

今回の取材のポイントは、事件の発生から逮捕・起訴までの経緯と、旧統一教会被害者救済法案可決のタイミングである。

永く企業法務のエキスパートとして弁護士事務所を運営してきた東一郎氏の視線には、甥・徹也被告の身の上に降り掛かる出来事について片事をも見逃さぬとの輝きがあった。

徹也容疑者(当時)の鑑定留置について、「初めから違法な措置だ」と語る。

(奈良大阪地検)検察が行った鑑定留置申請は、大阪地裁ではなく奈良簡易裁判所に行われた。地裁ではなく簡裁に申請したのは異議を唱えることなく許可してくれ易いと踏んだ検察の便法だと考える。今回、大阪地裁は2月10日までの鑑定留置の延長を却下した。簡易裁判所に申請をすること自体に違法性はないが、検察の思惑は、人目を忍んで恥ずかしいことをするような不実に満ちているといえよう。

被害者救済法案について、彼は「屁のツッパリぐらいにしかならない」と酷評した。

政府、文科省は、旧統一教会に質問権を行使したが、裁判所に対して旧統一教会への解散命令を請求するまでには至っていない。

するかしないか、世紀の焦点だと言いたいところだが解散命令が出ることはあるまい。

もし解散命令が出たら、その法人は裁判所が任命する清算人によって整理が始まる。法人の財産や重要書類などが清算人によってあからさまにされる。

旧統一教会を庇護してきた自民党国会議員への報酬や便宜の内容なども含め、全てが見えてしまう。解散命令は出せないというのが自民党議員の本音だろう。

もし出たら「オウンゴールだね」と東一郎氏は笑った。

徹也被告は最近、英検1級の取得を目指して勉強中だというが、それなら鑑定は休憩中か。短縮されたとはいえ、何のための鑑定なのか。単なる時間稼ぎの先送りなのか、その目的さえ分からない。

山上被告が大阪拘置所で懲罰を受けたとの情報があるようで、週刊誌が報じるのではないかとの憶測が聞こえてくる。

 

坂田全成

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